北村武資

重要無形文化財 「羅」保持者
重要無形文化財 「経錦」保持者

きたむらたけし

北村武資

略歴
1935年8月8日京都市に生まれる。
1951年中学校卒業後、家計を助けるために京都・西陣て製備業に従事する。
1955年五年勤めた機屋を退職。西陣を巡り様々な城を修行。
1959年独立。機械化が進むなか、手仕事による創作を志す。
1965年日本伝統工芸染織展で日本工芸会会長賞受賞。
1968年日本伝統工芸展でNHK会長賞受賞。同年、日本工芸会正会員となる。
1972年「長沙馬王堆漢基写真連報展」で、中国の美しい「羅」の出土状況の写真を見て触発され
「羅」の研究に励む。同じ頃から「経錦」の研究もはじめる。
1973年「中華人民共和国出土文物展」で羅の実物を見る。この頃には羅の試作が出来上がる。
1982年初めての個展。この後精力的に個展活動をする。
1985年日本伝統工芸展で保持者選賞受賞。
1990年京都府指定無形文化財保持者(・紋織)に認定。同年、日本工芸会理事。
1994年日本伝統工芸展で保持者選賞受賞。
1995年重要無形文化財保持者(離)に認定される。 1996年紫綬褒章受章。
1999年イタリア・ヴェネチアにて、ユネスコ主催「人間国宝制度に関する国際ワークショップ」で
重要無形文化財保持者を代表して発表を行う。
中国の畏沙へ馬王堆を訪ねる。京都府文化功労者賞受賞。
2000年重要無形文化財保持者(経錦)に認定される。京都市文化功労者の表彰を受ける。
2001年群馬県立近代美術館で「人間国宝」北村武資織の美」開催。
2005年英国ロンドンダイワジャパンハウスにて「織の挑戦者たち北村武資とうすはたの会」展を開催
秋の叙勲にて「旭日中綬章」を授章旭日中俊章受草
2007年ロンドン大英博物館「わざの美伝統工芸の五十年」に出品
2010年「紫綬褒章」を受章
2011年京都国立近代美術館にて「人間国宝北村式資『織』を極める」開催
2012年東京国立近代美術館にて「人間国宝北村武資『織』を極める」開催
技法
斑錦はんきん何色もの経糸を不規則に配して、優しい立体感を表現した味わい深い錦帯です。おやれな着物に最適です。
織繧繝おりうんげん連続した幾何学模様が美しい現代感覚の織帯。重厚な織物の質感は糸の太さと組織の変化の連続性によるもので、紋織技法の醍醐味です。
煌彩錦こうさいにしき金銀の輝きに新しい有職文様を配した煌彩錦は、瀟洒な中にも高い格調を秘めた、華やかな友禅の着物にも調和する織帯です。
経錦たてにしき【重要無形文化財技法】古代中国に羅織とともに発祥した織技であり、三色以上の経糸の組み合わせによって文様を表す貴重な織物です。経糸の重なりによる微妙な色調と柔らかな織風は秀逸です。
【重要無形文化財技法】「うすもの」とも呼ばれ正倉院御物に遺る、染織史上最高の織物です。羽衣を思わせる透ける独特の透明感、豊かな表情は他に類を見ません。